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2019.01.17 Thursday

『その男』シリーズ・2

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    その男は、何かに怯えているような素振りで絶えず後方を気にしていた。

     

    ”やさ男”だった。細見の身体はすぐにポキリと折れてしまいそうであったが、

    口論では負けなかった。

     

    ペンキ屋で働いていたが、薄汚れた格好を見たことはない。

    家を出るときは、スーツにネクタイを締め、一見サラリーマン風だった。

    というより、そう見せ掛けていたのだろう。プライドは高い男だった。

     

    若い時は画家になりたかったそうで、たしかに絵が上手い。

    字も上手いためペンキ屋で道路用の看板を書く仕事にありつけたが、その昔は・・・

    『憲兵』だったとこっそりと打ち明けてくれた。

    太平洋戦争の時分のことだ。

    まだ若い新米の憲兵は、必死に上官の指示に従っていた。

    その結果は、敗戦時に連合軍による軍事裁判が待っていた。

     

    その男は、妻の入信しているある宗教にすがった。

    もちろん自身もその宗教に改宗し全てを差し出した。

    その結果、男は名前も変わり別の人生を歩むことになる。

     

    もう追われることはないはずだ。

    「私は何もわるいことはやっていない。ただ上官の命令に従っただけだ」

    そう黙ったまま、今も怯え続けているように見えた。

     

     

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