J・Jと蛙(植草勘一と青山二郎) ・・・・再録
本編は2013.06.02 Sunday搭載分を再録しました。
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J・Jと蛙(植草甚一と青山二郎)
J・Jこと植草甚一と「人がみたら蛙になれ」の青山二郎は似てないかなぁ、と勝手に想像しました。どちらもその生き方は独創的で他に類を見ず、多くの方に影響を与えた点で、です。
植草甚一氏は、私のちょっと上の世代には絶大な人気を博した編集者でジャズ・映画評家。雑誌ワンダーランドや宝島の編集で、サブカルチャーを認知させた功績は大です。雑学が雑学を越えたのですから。
青山二郎氏は、骨董収集の目利きで有名でした。また装丁家の一面もあり、しっかりとした美意識の持ち主で、白洲正子の先生でしたね。
どちらもお金持ちの子息で、生活に困ることない身分でしたが、生き様は「高等遊民」との総称がぴったりでした。深い知識と鋭い分析力を持って、今までにない道を切り拓いたパイオニアです。
植草甚一が明治41年生まれ、青山二郎は明治34年生まれとありますが、7歳しか違っていないのか。明治生まれのモダンボーイ。大正・昭和初期・戦中・戦後を自分を変えずに行き抜いたと想像できます。
それは簡単でないよなぁ。自由に生きるなんて簡単にできる時代でなかったろうに。そこを先達として貫いたから感度敏感な後世の「トッポイ人々」に影響を与え続けるのでしょう。
かっこいい老人とくくってみたらいけませんが、写真は渋い感じが出てます。若い頃は「老人」でなかったのですから、晩年に評価が高まった訳ではありません。若い頃から、皆から一目置かれる存在でした。
青山二郎は、柳宗悦の「民藝」運動に当初から関わり理論や鑑識眼を効かせておりましたし、自宅には、小林秀雄や三好達治ら文化人が集い「青山学院」と呼ばれていたりして、大正・昭和の文化史の裏舞台で大きな影響を与えた人物であることは間違いありません。
私が青山二郎を知ったの白洲正子の著書からで、戦後世代は案外そういうケースが多いのはないでしょうか。
植草甚一は、うわさは聞いていたけれどこっちが感度敏感になる頃には、亡くなられていました。ただ、雑誌「ワンダーランド」は本屋で手にとって見ていたり、「宝島」の過激な路線は若いときに影響を与えられましたね。
(「宝島」の投稿コーナー「VOW」は、変なネタ満載で、市井のネタを写真付きで投稿するやり方は、現在のTV番組「ナニコレ珍百景」に受け継がれているのではないかな。)
お二人がしっかりと確信的にお持ちなのが「美学」だと思います。
それは、過去のどの日本人もお持ちにならなっかった「美学」です。それを生涯貫くことは困難なことですが、理解する知人にも恵まれ、お二人は「美学」を生き切られ一時代を築いた感があります。
お二人の「美学」は、「美学」ゆえ後世の道標にもなりました。
千利休はじめ「美学」が道をつくってきた歴史が、この国にはあります。
これからどんな「美学」が生まれるか否か。それは、楽しみでもありますが、一方平均化してきた現代日本人の現状に鑑みて、一抹の不安も覚えます。
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おまけ、白洲正子とオノ・ヨーコも似ているところあるなぁ、と思っています。
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