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2017.02.02 Thursday

『人類の衝突』 島薗進/橋爪大三郎 を読んで

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    『人類の衝突』の著作名は、サミュエル・ハンティントン『文明の衝突』を影響を受けてのこと。

    この本は、宗教学者の島薗進氏と宗教社会学の橋爪大三郎氏の対談集です。

     

    日本では「宗教学」はわりかし人気があるという。そうかも知れない。

    かくゆう私もその一人で「宗教学」や「文化人類学」が好きである。

     

    それは若い頃に中沢新一がスター学者であったからで、その著作に大いに影響を受けたのが

    大きいだろう。そいうい人は50代には多いんじゃなかろうか?

    (オウム真理経の信者も中沢ファンがいたろうに。)

     

    中沢新一氏のほかに山折哲雄氏にも影響を受けたし、上田紀行氏もそうだね。

    学者ではなかったが詩人の山尾三省氏の仏教世界の紹介も熱心に読んでいたな。

     

    社会学者が宗教を論じるとは橋爪氏から知ったのだが、その先達はマックス・ウエーバーだという。

    そんなことも知らないのです。

     

    欧米では「社会学」として宗教も題材にすることがあるのは解ったが、

    「宗教学」は「神学」を差すとのことで「キリスト教」を掘り下げるのだろう。

    またイスラム社会では、そもそも「宗教学」は存在しなくて、社会がイスラムなのでそれを学問することはない。

     

    日本には「仏教」「儒教」「神道」が平行してあるので、それを学問するのにためらいはなく

    その距離を測るためにも「宗教学」は必須の学問だと思う。

     

    「神道」が生まれたのは「仏教」の影響だというのは、ほとんど事実で、昔から「神道」があったでしょ

    という論は、形が不定形だったのが外から型を持ち込んだ結果、定型という形を与えた、

    ということだと知って欲しい。つまり仏教の伝来によって神道が可視されたのだ。

     

    だが、一般的に「国家神道」は近年つくられたもの。明治政府が建国に必要な要素として生んだもの。

    と捉える。その辺りを2人それぞれの学者として分析している箇所が一番読み応えがあった。

     

    島薗氏の論によると「国家神道」の雛形は古代社会にあって、その後中国の儒教的な帝国理論の影響を受け

    現在もその影響下だという。

     

    橋爪氏はキリスト教みたいな宗教はグローバル・アイデンティティーであるが、神道はローカルなものだった。

    それが植民地化で矛盾を孕んだが敗戦とともに神道もなくなった、という。

     

    そうだとしても、その復活を願う勢力が現在 力を持ってきているのは事実。

     

     

    いずれにせよ、「国家神道」の問題を個人としてきちんと捉えるようにならないと、急激に右翼化している

    政府・与党とその背後にある「日本会議」が語る「神道」と「天皇」の問題に対処できないだろう。

     

    学者でなくても「日本は神の国です」みたいなロジックを、訂正できるだけの知識がないと

    「そのために命を投げ打つことは美しい」なんて喧伝に流されてしまうのではないか、

    と危惧しているのです。

     

    平成天皇が「民主主義の申し子」であること、万葉の世界(「高き屋に のぼりて見れば 煙(けぶり)立つ

    民のかまどは にぎはひにけり」)を体現されていることを鑑みれば、国家神道復活は時代錯誤であると

    言えるであろう。

     

    この本の感想と少し離れてしまった。

     

     

    2人の学者が、「現代の精神文化」をそれぞれの見解で語った本。2人の論をそのまま比較すれば、

    それが現代の問題として浮き出て、問題提起になっている本。そう感じました。

     

     

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