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2012.11.28 Wednesday

第13話

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    ここいらで外枠つまり建物を考えてみましょう。


    架空の楽器屋ですので、建物のテナント料や建設費は無視していいのが、嬉しいですね。
    たいがいこいつで断念してしまうから、勝手に想像が膨らめます。


    店舗の位置をどこにするか。ここからスタートですが、街中より郊外が好きですので乗り物で来てもらうのが前提です。お客さんが来ないことには商売として成立しないでしょうから、あまり山の中という訳にもいきません。


    かと言って都市部近郊の自然は失われていますので、少し離れる必要があります。その距離と時間が、自然豊かな空間と気持ちの開放感を与えてくれますし、お店の空間もその方がゆとりを持って作ることができます。


    首都圏から高速道路で2〜3時間くらい自動車で飛ばしてきたら着くのが理想でしょうか。信州は山並みが美しく空気が乾燥していて楽器にも適しているので、長野県としましょう。候補地は、八ヶ岳山麓とか安曇野がいいかなぁ。


    しかし場所は決定しないで候補として置きましょう。あくまで架空楽器店ですから、場所は限定しない方がいいでしょう。


    さて、お店ですが「建物」を建てる。建築する。という方法があります。美術館級の発注なら大物の建築家が日本にはいくらもいます。世界的な映画監督と建築家は、Maid in JAPANの売りですね。


    小さなお店が希望なので、大げさな建築はいりません。公共建築のスタジアムや空港・美術館が得意な大物建築家さんには失礼してもらって、住宅設計の売れっ子「中村好文」や奇抜で民族的な建築の「藤森 照信」にお願いしてみましょうか。


    東美濃では中村好文氏が手掛けた瑞浪市の「瑞浪芸術館」や地方のギャラリーとして成功している「ギャルリ百草」があって(建物は移築の民家ですが、カフェが氏のデザインです。)、中村氏の力量がよく解りお願いしたいところですが、好文ちゃんばっかしモテてもほかの建築家が泣きますね。

    (それでも中村好文氏設計の千葉の「as it is」は魅力的で参考にさせてもらいます。)


    藤森 照信氏の建築はブログ「古いギターはいい音がするのさ」に取り上げているので、そっちを参照してもらいましょう。赤瀬川源平の「にらハウス」とか養老孟司昆虫館 とかいいですものね。


    彼らの建築は「質」が高いですが、「彼らの作品に住まう」のはちょっと違和感があるので、新しく建てるのではなく貸家を探すこととしましょう。古い物件が好きですがここでは古民家ではなく、大正から昭初期に建てられた物件がいいと思っています。


    先の「ギャルリ百草」は、茶室が付いているお医者さんの持っていた大正から昭和初期の建築だと聞いたことがあります。茶室の床の間に松の節が入った板があって、そこから「百草」と名づけたとも聞きます。ちなみに「松」の別称が「ももぐさ・百草」です。


    お医者さんの「おうち」か、いいですね。


    そうだ!「医院」がいい!それにしましょう。


    大正から昭和初期に建てられた木造の「医院」。
    壁は白いペンキが塗り重なれていて、ところどころは剥げて下の色が見えている。屋根は瓦だが、建築様式は洋風で床はタイル張り。


    診察室の聴診器や診察用具が入っていたガラス張りのケースはそのまま残して展示用什器として使い、待合室には大きなソファが置いてある。壁にギターを掛けられる様にストラップをつけて、低い棚を巡らせます。すっきりの展示スペースとして、モノをひとつずつ時間をかけて吟味してもらいましょう。


    和式のトイレだけは洋式に直すとして、調薬室はギターアンプで音を出せるようにスタジオ風に改造しましょう。電気は裸電球に白っぽいガラスのシェードがのっています。


    わざわざ来て頂いたお客様に一服してもらうため、カフェも併設しましょうか。


    こんなイメージはどこから来たのか考えてみると、彫刻家の「船越桂」のアトリエが影響しているかな。
    氏のアトリエは、古い床屋を改造したもので、いかにも床屋さんってところが、却って作家のイメージを膨らましてくれそうだからです。


    それともうひとつ、「隣のトトロ」でさつきやメイが引っ越してきた「おうち」のイメージもどこか混ざっているかも知れません。


    「宮崎駿」の世界には、近未来と大正ロマン的なものが混同したイメージがあります。そこにノスタルジーと共感を呼び起こしているかも知れません。


    話がズレてしまいますが、船越桂さんと宮崎駿さんは、すばらしいアーティストであると認めたうえで、一言。


    宮崎駿さんの初期のアニメ「パンダコパンダ」や「アルプスの少女ハイジ」と、後の作品を比較すると、ところどころに「おどおどろしい」場面が現れています。また船越桂さんの彫刻作品も初期に比べると、最近は人体から異物が生えている作品など「おどおどろしく」観えると感じています。


    この「おどおどろしい」は、現代の美術のキーワードになっています。美醜の別をつけるとすれば、「醜い」姿を良しとしているところが「現代性ある美術」となる訳です。


    私は先生から、芸術を「善悪・美醜・真贋」で見る見方を教わりました。それを自分なりに調べて行くとそこに仏教の世界観があることに気が付きました。


    「縁起」の法における「三善根」がそれです。「三善根」とは、無貪(むとん・貪らない)無瞋(むしん・いからない)無癡(むち・愚かでない)とのことですが、そこから「善悪・美醜・真贋」が導き出せ、それ外れることは、「毒」に通ずると私は解釈しました。


    現代の芸術は、第一次世界大戦後、荒廃したヨーロッパに生まれたシュールレアリズムやダダイズムから派生したと言われています。それまでの芸術は、戦争を超えられなかったとの思いが、その手の芸術活動を生み出しました。


    それはそれで意味あることですが、「美」に対して「醜」の概念を立てたことが不幸であったと私は思っています。


    「醜」なる芸術は、最後には人間の魂魄を汚してしまいます。それはさらに魂魄の荒廃を呼び、人類の終焉を早める結果になってしまうと私は危惧します。


    先の芸術家は、すばらしい魂の持ち主ゆえ、そこに落ちることなく作品を作って戴きたいと切に願っています。


    話が逸れました。郊外にある楽器屋「サン・クリストバル・デ・ラス・カサス」に戻しましょう。

    カフェを併設するので、どんなメニューにしようか。考えてみます。

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    ギター工房9notesホームページへどうぞ

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