2017.05.05 Friday

祖国

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    サッカー中継の後たまたま付けいたテレビで「ミュシャ」の特集をやっていた。

    ふーん「ミュシャ」か、アールヌーボーのポスター画家だな、と軽く思っていたが違った。

     

    パリで成功した後、突然故郷のチェコに帰って「スラブ叙事詩」なる連作をアトリエにこもって

    描いていたそうな。

     

    村人をモデルに登場人物を描きスラブ民族の出自をテーマにした。下図には写真も使ったそうだが、

    彼の持ち味のデッサン力がモデルと構図を引き立てたことは間違いない。

    (デッサン力はポスター書きのときにもその威力を発揮したいた)

     

    「スラブ叙事詩」はどれも大作で、それを完成させるには精神力と忍耐力が求められただろう。

    ミュシャにはそれがあったのだ。彼は描き続けていたが、途中でゲシュタポに捕らえられてしまい

    最後の絵は未完のままになっていた。

     

    以上のことを番組内で”多部未華子”がナビゲーターになってレポートしていた。

     

    音楽家「スメタナ」の「わが祖国」が通奏低音のように効いていたな。

    https://www.youtube.com/watch?v=2Sp4JyDNNr8

     

     

    「マッチ擦るつかのま海に霧ふかし身捨つるほどの祖国はありや」寺山修司

     

    わが祖国もピンチではないか?

    放射能汚染は収まるどころでない。

    自由な意見も政府に気にくわなければ捕まえることができる法律を作ろうとしている。

    外交に力を入れる前に軍事力を増強しようとしている。

     

    祖国の実相は、国体でなく国民である。

     

     

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    2017.04.28 Friday

    松岡正剛×水曜日のカンパネラ

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      Eテレで『松岡正剛×水曜日のカンパネラ(コムアイ)』の対談があった。

       

      私はコムアイが歌っている姿をたまたま『Mステ(ミュージック・ステーション)』で観たことがあったが

      そのときは面白く感じなかった。ただ彼女は「シンガー」というより「パフォーマー」だなぁと感じた。

      (私も元パフォーマーだから・・その直感より)

       

      そのコムアイをあの松岡正剛のご指名で対談すると言うこの番組、観なくては。

       

      松岡正剛は、「編集工学」という独自理論を打ち立てた思想家だが、かつて『工作舎』という出版社で

      『遊』という伝説の雑誌などを出版していた。(90年代には平凡社の『太陽』や文化出版局の『銀花』など

      ビジュアルと独創的な企画で勝負していた雑誌が数冊あった。ポーラ化粧品から『is』っていうのもあったなぁ)

       

      工作舎のベストセラーはレオ・レオーニの『平行植物』かな。レオ・レオーニは絵本『スイミー』が有名。

      松岡はそこの編集者で、そこからいい書き手が生まれて行った。

       

      http://9notes2.jugem.jp/?eid=103

      http://9notes2.jugem.jp/?eid=347

       

      この対談で印象的だったのは、松岡がコムアイの言葉の展開のスピードが速いことを

      絶賛していたこと。

       

      カットアップ的な手法で、脳のイメージと実際に口から発す言葉の時間的な差を

      縮めたことを自身の体験をもとに解説していた。言葉はイメージより遅れがちだからね。

       

      百戦錬磨の言葉のプロが若手のアーティストに刺激を受けたのだ。

       

      また、70代のお爺さんが20代の女の子と対談できるってことが、私には新鮮に映ったが、

      感性が古びなければ、いつまでもトッポイ男でいられるものだと思った。

       

      ところで『水カン』こと『水曜日のカンパネラ』だが、『カンパネラ』は宮澤賢治の『銀河鉄道の夜』から

      取ったと推測してるが、『水曜日」は何だろう?

       

      この名がユニット名とは知らなかった・・・・そうなんだ・・・

       

       

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      2017.03.16 Thursday

      工芸

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        先週の新聞日曜版に工芸家の須田賢司さんが取り上げられていました。

        彼曰く「コウゲイという言葉で外国でもわかってもらえるように、海外で広めたいと思っています」

        (須田さんは木工の人間国宝に認定されています)

         

         

        甥っ子が結婚するのでそのお祝いに友人の作った”やきもの”を贈ることにしました。

        お祝いに”やきもの”を贈ることが多いですが、その際「ウチ使い」用にも買い求めます。

        これがうれしいんですよね。

        何かないと「ウチ用」に買えないですから。

         

        日本人は世界で名だたる”やきもの”好きですが、それはちょっと昔の話かな?

        「なんでも探偵団」では骨董好きのおじさんが結構多いのに驚かされますが、

        一般人ではそれほどでもないかと思います。

         

        100円ショップの器で充分だと思っている人も多いでしょうし、また昨今の100円ショップの

        デザインのグレードは、なかなか高いものです。

         

        ひとつ1000円から5000円のコーヒーカップやお茶碗は、なかなか買えないのは

        理解できます。

         

        しかしながら、ひとたび「コウゲイ」の魅力、奥深さを感じたならば、この値段は

        それほど高いと感じないものでもあります。それは”内面の豊かさ”を実感できるからです。

         

        ”内面の豊かさ”って何?と思われるでしょう?

        美味しいものを食べている感じって言ったらいいかな。満足感でいっぱいでなおかつお腹も膨れる。

        ”内面”ですからお腹は実際にいっぱいにならないですが、”こころ”がいっぱいになるのです。

         

        人はおいしい食事を舌で食感で香りで楽しみますが、眼でも味わっていますね。

        その際「器」も重要な要素であることは解っていただけると思います。

         

        「器」が美しいと食材も調理の腕も引き立ちます。そして”お腹”と”こころ”に満足感が味わえるのです。

        「器」をも含む「コウゲイ」はその”総体”です。

         

        人間の生活に「音楽」が「美術」が「建築」が「文芸」が「演劇」が花を添えるように

        「工芸(コウゲイ)」もその一翼を担っています。

         

        「食べ物」が人間の生命維持に不可欠のように「芸術」は人間のこころに直接関わり

        人間が人間たる源になっています。

         

        あなたの毎日の食卓に「コウゲイ」を載せて、たいらげて見ませんか。

         

         

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        2017.03.02 Thursday

        Frida Kahlo

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          画家『フリーダ・カーロ』を知っているだろうか?

          facebook上では、たびたびアップされるのだが、関心のある人は少ないようだ。

           

          自立した女性として取り上げられることが多いと思う。

          また「自我確立」視点で取り上げられることもある。

          それほど、強烈な存在感を持った女性だった。

           

           

          私が彼女を知ったのは、メキシコへ旅した1986年頃だったと思う。

          まだ日本では本格的に紹介される前で、旅する前はまったく知らなかった。

           

          メキシコシティの国立美術館「National Museum of Art」で特別展が開かれていたのを

          たまたま観て「だれじゃこれは?」と強い印象を受けたのだ。

           

          国立の美術館で展覧会が開かれるぐらいだから、有名な画家であることはすぐ察知したが、

          その情報は持っていなかった。

           

          そもそも私がメキシコを旅した目的は、メキシコ革命のリーダーであり画家であった

          『シケイロス』のポリフィルム・センターを訪れたかったからであり、

          美術紀行ゆえ多少はメキシコ美術のことは事前調べがしてあった。

           

          しかし、『フリーダ・カーロ』のことは事前に引っ掛からなかった。

           

          彼女の作品を観ると、シュールリアリズムの影響がある。作品にはメキシコ革命のリーダーでもあった

          『ディエゴ・リベラ』も出てくる。自傷の絵もある。民族衣装の自画像ばっかり・・

           

          これらはすべて彼女の人生を描いてあったと帰国後に彼女が本格的に紹介された案内を読んで

          知った。

           

          歳の離れた革命家であり画家であった『ディエゴ・リベラ』と結婚。が妹が彼と浮気をする。

          彼女は彫刻家の『イサム・ノグチ』や亡命して来た『トロッキー』等と浮名を残す。

          生まれながら足が悪くそれを隠すために民族衣装をまとう、

          また交通事故で身体に激しい痛みを覚えながら絵筆を持つ日々。

           

          その間に彼女は自身の個性を開花させ、キャンバスに焼付けたのだった。

           

          メキシコは”マッチョ”の国でもあるので男性優位。その中で女性として存在感を持って生きることは

          大変なプレッシャーであったことは容易に想像がつく。

           

          だからこそ、全世界の女性(ときに男性が)が『フリーダ・カーロ』の生き方を支持し、憧れを持つのであろう。

           

          たびたびFBでアップされる彼女の写真を観るたびに、先入観なしに観た彼女の作品のインパクトの強さを

          思い出すのである。

           

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          2017.02.24 Friday

          小沢健二と小沢一郎

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            新聞半面の広告に”小沢健二”のエッセイが載っていました。

            19年ぶりの新曲発表に合わせた広告ですが、お金が掛かっているね。

             

            楽曲を紙面で伝えることはできないですが、”オザケン”の世界観を

            伝えることはできます。成功しています。いいクリエイターがついていますね。

             

            その昔

            ”フリッパーギターズ”の音楽性は趣味ではなかったですが、なぜか好きでした。

            「渋谷系」とか言われておしゃれな音楽と捉えられていました。

            でも、私は彼等の詩の世界と軽妙なアレンジが羨ましかったのを覚えています。

            (あの頃は音楽をやっていましたから。”フリッパーギターズ”とともに”アズティック・カメラ”も注目してました。

            でも私にはアコギを軽妙に使うことはできそうもなかった。それよりも初期の”RCサクセション”的なアプローチが

            肌にあっていたかな。)

             

            その”オザケン”も父親になってアメリカ暮らしだそうですが、新聞内のエッセイでは

            息子が日本の食パンをドラえもんに出てくる「アンキパン」だというエピソードを披露しています。

            文体は洒脱でしゃれています。「渋谷系」ですね。

             

            ”フリッパーギターズ”が流行っていた頃、政治家の”小沢一郎”も元気がありました。

            この2人に脈絡はないけれど、小沢つながりだから、2人とも思い出しちゃたんだよね。

             

            ”小沢一郎”は、落ち目だけどそれでも選外になることはなくて

            現在は”山本太郎”と組んでいるし、その前は滋賀県知事だった”嘉田 由紀子(かだ ゆきこ”)と組んで

            環境問題をクローズアップして選挙を戦いましたね。

             

            兎に角、人を担いで自分も生きることに長けています。

            その昔は、もっとも危ない政治家と思われていましたね。今はどうなんでしょう・・・

             

            ”小沢健二”が「流動体について」をMステで披露しました。

            出だしは緊張していてこっちも緊張してしまいましたが、最後はノリノリになりましたね。

             

            ”小沢一郎”もひさびさに新曲を出すのでしょうか?新曲?って訳ないですが・・・

            天敵・完全不落の安倍政権に一矢を報いることができるか?

            こっちの小沢さんにも期待してみましょう。

             

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            2016.10.03 Monday

            あいもの

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              7分袖の服を買った。

              安かったからだけど、本当はこういう服が好きなんだ。

               

              半袖でも長袖でもない、半袖では少し寒いし長袖では暑い、

              そんな秋のひとときのための服。

               

              「合物」と言うんだね。春や秋の季節の変わり目に重宝する

              冬物でも夏物でもない服。

               

              どうだろう2週間もすると必要なくなる代物だよね。

              でも、その2週間にぴったりの服。

               

              反対に2週間我慢すれば必要のない服だとも言えるかな。

              安くなかったら買えなかっただろう。

              でも、こういうのが本来は好き。

               

               

              季節はうつろいゆく。

              その隙間で一瞬輝く。

               

               

               

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              2016.04.28 Thursday

              世界平和

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                もうすぐ彼の命日がやって来る。
                その彼とはキング・オブ・ロックンロール「忌野清志朗」。

                NHKの追悼特番で清志朗がインタビューに答えていました。
                「夢はなんですか?」
                「世界平和です」

                大真面目なコメントだと思います。
                本当にそう信じていて、それを発信しようとしていたのです。

                かっこいいよな。
                本当のことをまっすぐ言うのって・・・
                (これができないから、ますますそう思う)

                私もなんです。
                人間をやっている間でもっとも大切だと思うテーマは、「世界平和」と考えます。

                一般人がこのセリフを吐くと回りはシラケてしまうので
                不断封印していますが、それが大事だと本気でそう思うのです。

                貧困や格差・差別、飢餓や病気、政治の不正、富の偏在、官の賄賂の横行、などなど
                この世界には克服しなくちゃならない人間が作った問題が山済みです。
                だけどぞれを克服できるのもまた人間だと思うのです。

                簡単じゃないし、強い方や体制に乗っかった方が有利だと判断する人も
                多いのも事実です。

                一方、宮沢賢治の「雨にも負けず・・」が根強く支持される土壌もまた
                人の中にあるでしょう。

                ビートルズがこれだけ世界に広まったのは、音楽性もさることながら
                ”Love & Peace”のメッセージが人々に影響を与えたからでもあるのです。

                私はね。小乗仏教に惹かれています。大乗仏教に「自分の悟りのことばかり考えている」と
                蔑まれている小乗にね。それは、自分自身を救えない人が世界を救えるのだろうか?という
                疑問からは発しています。

                自分自身を救えたら、そのとき大小を越えた働きを手にして
                結果的に世界を救えるのだと信じるからです。

                大きいも小さいも 広いも狭いも 高いも低いも
                超えたところに「世界の平和」が実現できると信じているのです。


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                2016.04.08 Friday

                BOROの美学

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                  神戸のファッション美術館で「BOROの美学ー野良着と現代ファッション」展が行われているという。
                  いいなぁ、行きたいなぁ。

                  「ぼろ」は端切れをつぎはぎしたものですね。縫い合わせの糸の目があり、大きさの違う布切れが繋がった衣服は、
                  貧しさの象徴でもあったでしょう。

                  つまり、新しい着物が買えないから、破れたところを繕い、古いものの中から使えるところを残して
                  布の寿命を延ばしていったのです。

                  素材も藍染めだったり、天然染料しかない時代なので、微妙な色の変化が結果的に絵画的になりました。

                  この「BORO」が海外のコレクターにも人気だそうです。
                  以前から日本の骨董趣味の人は、これに注目していましたが、その美を理解する人が海外にもいたという訳ですね。

                  海外でも「グランジ・ファッション」がありました。「パンク」の破れたTシャツも若い人には「美」として
                  受け入れられていたので、「繋ぐ・繕い」もありでしょう。

                  「繋ぐ・繕い」には、韓国の「ポジャギ」がありますし、日本の「刺し子」もそうですね。「キルト」「パッチワーク」も
                  以前紹介した「宮脇綾子のアップリケ」もその展開の美です。

                  どれも糸を持った人の息使いが聞こえてきそうな、民衆の芸術です。





                  まったく違う展開で恐縮ですが、
                  「大阪で生まれた女」のシンガーソングライター「BORO」のこの原曲は、歌詞が18番まで
                  あるそうな。

                  18番までとは・・・・

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                  2016.03.04 Friday

                  日本のヴァイオリン製作の先駆者「鈴木政吉」

                  0
                     
                     先日、東海テレビで鈴木ヴァイオリンの創業者・鈴木政吉氏を主人公のしたドラマ「日本のヴァイオリン王」
                    が放映されました。それに前後して私も井上さつき著の「日本のヴァイオリン王・鈴木政吉の生涯と幻の名器」
                    を読んでいました。  読後の感想と「鈴木ヴァイオリン」ついて記してみます。

                    昨今の楽器業界とくにヴァイオリン業界では、「鈴木ヴァイオリン」の評価は芳しくないのを、まず知っておく
                    必要があります。現代の状況だけをクローズアップすれば、ドラマ仕立てにはならなかったと思います。それで
                    も創業者の鈴木政吉氏を丹念に調べる研究者がいたので、過去の彼の人生がこうしてテレビドラマになったので
                    しょう。

                    実際、政吉氏は道なき道を手探りで歩んだパイオニアでした。そのことは賞賛に値するのは事実です。スゴイこ
                    となのです。日本になかった楽器・ヴァイオリンを三味線職人が独学でものにしていく様は、驚き以外なにもの
                    でもありません。時は江戸から明治時代に変わった頃ですよ。情報なんてものは存在しない時代のことですから
                    そこから生まれたヴァイオリンは、正に血の出る努力の賜物でしょう。

                    そのヴァイオリンが欧州の万国博覧会等で賞を受賞していきます。多少は未開国のお手並み拝見みたいな高飛車
                    な気分で賞を出している感じを受けましたが、真実は解りません。同時に政吉は海外で精力的に本物を吸収して
                    いったと思われます。このあたりの器用さは日本人ならではと感じます。


                    この本で知ったことで一番驚いたことは、日本のヴィオリン需要の最盛期は、大正時代にあったということです。
                    ヴァイオリンが身近な楽器であった時代があったのです。庶民の伴奏楽器に使われていたのですが、これはアメ
                    リカ合衆国の西部開拓時にフィドルが流行ったのと同じじゃないかと私は推測しています。というのは、庶民は
                    ホンキートンクな演奏で充分楽しめるからです。ヴァイオリンには絶対音階が必要という感覚は、クラシック演
                    奏が蓄音機の普及とともに日本に浸透しはじめてから起こってきます。

                    また第一次世界大戦でヴァイオリンの輸出が急速に伸びています。これは欧州の産地が戦争に巻き込まれたり、
                    産地からの輸出が困難になって、日本の鈴木ヴァイオリンに受注が殺到したからです。
                    需要の拡大によって、ヴァイオリン生産が手工芸から工業生産へと移行して行きます。政吉の名が後世に残った
                    のは実業家としての成功にあるともいえます。多くの職工を雇い大量生産・低価格を実現させたのです。作り方
                    もシステム化したと思います。

                    私は鈴木ヴァイオリン関連会社の生産に関係していますが、実よくにシステムマチックにできていると感心して
                    います。もちろん現在は木工専用機の導入がどのメーカーでも当たり前ですが、政吉は手工と機械加工を大正時
                    代に確立させていたのです。そういう意味でも、現在ある国内のメーカー先駆けとして、もっと尊敬の念を持た
                    れてしかるべきだと思います。

                    さて、大正期にピークを迎えた鈴木ヴァイオリンは、その後急速に業績を悪化させて行きます。輸出も減り、国
                    内需要も激減します。それは第二次世界大戦・太平洋戦争のためとも言えますが、戦後会社としての「鈴木ヴァ
                    イオリン」は減速して行き、一方政吉と同時期にオルガン製造で成功を収めた山葉(ヤマハ)寅楠の「日本楽器」
                    が隆盛して行きます。このあたり、2社の差はいったいなんなのか・・・・
                    (また当初から、大阪の三木楽器が鈴木と山葉をいち早く扱っていたのも面白い事実)

                    政吉はヴァイオリンほかマンドリン、ギターなどの生産にも道をつけています。また新しい楽器(マンドレーラ)
                    を発明したりもしています。私がもっとも興味を持つのは、政吉が考案した「済韻(さいいん)」と呼ばれるヴァ
                    イオリンの鳴りをよくする「秘法」です。政吉の研究の成果とされるこの「済韻(さいいん)」が、どのような
                    方法でどんな響きをするのか。興味津々なのです。弾き込みを促進する技術・機械の導入らしいのですが・・・

                    テレビドラマでは、政吉に2人の妻が出てくるところが話題になりしましたが、そんなことよりヴァイオリン製
                    造という一大事業を成し遂げた男の、波乱に満ちた一生が人の感動を呼ぶ事実(ドラマ)であったことがすばら
                    しいと思います。

                    「忘れさられていた偉人」鈴木政吉。今後、楽器業界は彼をどう位置づけていくかは、残った「鈴木ヴァイオリン」
                    本体に掛かっているかも知れませんね。

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                    2016.02.25 Thursday

                    『宮脇綾子』と『銀花』

                    0

                      先日、長久手市の名都美術館で開催された「宮脇綾子の世界展」に行ってきました。
                      図録はずっと前から持っていましたが、本物を観るのはこれが初めてです。

                      やはり図録より立体的で、作品も思ったより大きいかったり、小さかったりしました。
                      本物はいいなぁ。

                      宮脇綾子の作品は平たく言えば「アップリケ」となり、そうも呼ばれています。
                      古裂や繊維質の素材を組み合わせたり、切り抜いたりして「絵画」に仕立てています。

                      そう簡単に書いてしまうと婦人の「手芸」のように思われてしまう嫌いもあるのですが、
                      それは、まさに「芸術」であって、それ以外ではありません。

                      身の回りの素材(野菜とか魚とか)をモチーフにして、デッサン力と構成力と作家の美意識を生かして
                      「作品」に昇華させています。
                      しいてジャンルをつけると「工芸」と呼べるでしょうか。素材(布)を生かして入る点からの判断です。

                      彼女の作品を知ったのは、たしか季刊誌『銀花』だったと思います。
                      今は廃刊された『銀花』ですが、「工芸」を紹介する雑誌としては郡を抜いた存在でした。

                      杉浦 康平氏がアートディレクターを務めていて表紙も工夫がありました。
                      「おまけ」の版画や小品が雑誌内に縫い付けてあり、そこも特徴的な雑誌でしたね。

                      バックナンバーを数冊持っていますが、今も古びらない感じ(いやいや当時から古びた感じ)で、
                      内容も充実しています。ひさびさに手に取ると「工芸」を感じる眠っていた感性が蘇って来ました。

                      宮脇さんの作品もそうですが、こちらのチューニングがズレてしまうと「工芸」を見過ごしてしまうのです。
                      現代のせわしい暮らしが、そうさせてしまうからだと思います。



                      雑誌「クウネル」が刷新されて一部で話題になっています。
                      「クウネル・ショック」と呼ばれるほどと聞きました。

                      そうですね。これほど同じ雑誌の内容が変わってしまうのは「ショック」でしょうね。

                      全体に白っぽい写真で「伝統や手つくりのある暮らし」の紙面が一新されて、「ミセスのおしゃれな商品」
                      いっぱいの雑誌に変わってしまったのですから。

                      『銀花』のときもそうでしたが、「地道な工芸や暮らし」は、地味ゆえ商売になりにくいのだと思います。
                      派手な方が売れるのでしょう。(一時だけど)

                      時はデジタル時代。サウンドはドンシャリ系、色は彩度の高い色ばかり、地味なものは
                      数字になりにくいからなぁ。

                      しかし「ほっと」させる力は強いですよ。

                      日々を消費するよう 脇を固められて生活しているので、
                      何かきっかけでスピードを弛めた時に、きっと気づく「味わい」がそこにあるのです。


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